#17 なぜ「ポジポジ病」は治らないのか?退屈に耐える力が最強の武器になる理由

こんにちは。

今回は、「なぜポジポジ病は治らないのか?」というテーマで、深く掘り下げていきます。

FXを始めた多くの人が一度は陥るのが、この“ポジポジ病”。

エントリー条件がそろっていなくても、なんとなく入ってしまう。 気がついたら、毎日のようにトレードしている。 チャートを見ていると、「今入らないとチャンスを逃すかも…」と焦る。

そんな状態に心当たりはありませんか?

この記事では、「ポジポジ病」が起こるメカニズムと、それを克服するために必要なマインドセット、そして実践的な対処法を、専門的かつわかりやすく解説していきます。

ポジポジ病とは何か?

ポジポジ病とは、チャートを見ていると“ついエントリーしてしまう”心理状態のことです。

具体的には:

  • 根拠があいまいでもポジションを取りたくなる
  • 損切り後、取り返したくてすぐ入り直す
  • トレードしていないと不安になる

これらは一見「やる気がある」「行動的」ともとれますが、実際はメンタルに振り回されている状態です。

ポジポジ病にかかると、結果的に勝率が下がり、資金が減っていくことになります。

なぜポジポジ病になるのか?

ポジポジ病の原因は、単なる“クセ”ではありません。 もっと深い、根本的な心理が関係しています。

1. 今ここで稼がなきゃいけないという焦り

多くの人は、「早く稼ぎたい」「今日中に結果がほしい」といった焦りから、トレードを急ぎます。

この心理は、特に次のような背景を持っていると強くなります:

  • 生活費をトレードで補っている
  • 過去の損失を早く取り返したい
  • 「負けている自分」に耐えられない

こうした焦りがあると、「待つこと」が苦痛になります。

その結果、「ここで勝負しないと置いていかれる」という誤解が生まれ、ポジションを取り続けてしまうのです。

2. 見てるだけは損という誤認識

トレードは、「エントリーしなければ利益は生まれない」という構造です。

そのため、チャートを見ているのにエントリーしない時間があると、「損している感覚」に陥ってしまう人が多いです。

でも、これは間違いです。

本当に勝てるトレーダーは、良いタイミングが来るまで何もしません。 むしろ、「エントリーしない時間」こそが、“勝つための下準備”なのです。

たとえるなら、漁師が海を見て潮の流れを読んでいるようなもの。 いきなり網を投げても魚は取れません。 “今だ”というタイミングを待つことで、初めて大きな収穫が得られるのです。

なぜ「治したいのに治らない」のか?

多くの人が「ポジポジ病はよくない」とわかっているのに、やめられない理由があります。

それは、「不安と退屈に耐えられない」からです。

1. 不安に耐えられない

ポジションを持っていないと、「次のチャンスを逃すかも」「自分だけ乗り遅れるかも」という焦りが生まれます。

この不安感を消すために、ついエントリーしてしまうのです。

2. 退屈に耐えられない

人間は、刺激を求める生き物です。 特にスマホ時代の現代人は、「何もしない時間」が非常に苦手です。

でも、相場の世界では、「何もしないこと」=「勝つための選択」です。

この“退屈”に慣れる力が、ポジポジ病を克服するための第一歩になります。

勝てる人ほど「待つ」ことを知っている

プロのトレーダーは、「待つ力」が異常に高いです。

・1日チャートを見ても1回もエントリーしない日がある ・週に数回しかトレードしない ・パターンが揃わなければ、どれだけ動いていても入らない

こうした“圧倒的な静”の中に、プロの強さがあります。

「動かないことで勝てる」 これは、初心者がなかなか理解しにくい真実です。

でも、実際には「トレードをしない」という選択が、資金を守る最大の手段になります。

ポジポジ病を治す具体的なステップ

では、どうすればポジポジ病を克服できるのでしょうか? 以下の4つのステップを試してみてください。

1. エントリーのルールを「明文化」する

あいまいな感覚でトレードすると、ポジポジ病が発動しやすくなります。

たとえば:

  • RSIが30にタッチ
  • 1時間足でフィボナッチの23.6%で反発
  • 20EMAにローリバ(戻り売り)が発生

このように、条件をはっきり決めておくことで、「入っていいタイミングかどうか」が明確になります。

2. トレード前に「自問」する習慣をつける

ポジションを持つ前に、次のように自問してみてください:

  • これは自分のルールに従ったトレードか?
  • ただ感情で入りたくなっているだけではないか?
  • このトレード、他人に見せられるだろうか?

この自問を習慣化すると、“感情の暴走”を抑えることができます。

3. トレードノートに「見送り」を記録する

エントリーしなかった判断も、立派な“トレード”です。

「エントリーを見送った理由」を書く習慣を持つことで、自分の判断力に自信がつきます。

「入らなかった=負け」ではないのです。

むしろ、「入らないという選択ができた」ことが、勝率を上げる行動です。

4. トレードしない日を「意図的に作る」

毎日チャートを見ると、どうしても入りたくなります。

そこで、最初のうちは「トレード禁止日」を自分で決めるのがおすすめです。

・月曜は環境認識だけ ・金曜は振り返りだけでノートを書く日

こうして“意識的に休む”ことで、ポジポジ病の癖が少しずつ消えていきます。

まとめ:「退屈に耐える力」が最強のスキル

ポジポジ病の本質は、「今すぐ稼ぎたい」という焦りと、「待つことへの不安や退屈さ」にあります。

でも、FXは「正しい場面でだけ勝負するゲーム」です。

トレード数が多ければ勝てるわけではなく、むしろ「勝てるとき以外は何もしない」ことが、最強の戦略になります。

“退屈に耐える力”は、トレードにおける「最も地味で、最も強力なスキル」。

この力を身につけたとき、あなたのトレードは劇的に変わり始めます。

コメント